クールビズの服装のポイントは「清涼感」です。清涼感を演出するには、素材が何よりも重要です。普段のスーツにはウールが使用されていることが多いですが、着ていても、また見た目にも涼しく感じる綿や麻素材のジャケットなどを選ぶのも良いでしょう。またウールでも、夏向けに織られた「サマーウール」などの涼しい生地もあります。そして、「爽やかさ」も大事です。これは色や柄がポイントになります。爽やかに感じる色とは、原色ではなく、淡い色合いです。白はもちろん、水色やレモンイエロー、薄いグリーン、薄いオレンジ、ピンクなどを効果的に使えば、夏らしい活気のある爽やかさを演出できます。もちろん、くどくなってしまっては「クール」ではありませんので、あくまでさりげなく。また、ストライプ柄も見た目に爽やかな印象を与えるので効果的に用いたいところです。
もう一度、若い人の服を見直してみる。以前好きだったブランド、安いインポート物のお店、ブランドという言葉自体が古くなりつつあるのかしら、次から次と新しいメーカー、無名のメーカー。どこそこだから安心、素敵、という感覚で服選びをしていた私など、まず頭をまっ白にして切り替えることから始めなければならない。そんなふうにして、娘について、あちらこちらと巡る。今はナチュラル傾向の夏服が出ていて、サイズさえ合えば結構シックに着られるものが多い。若い人がシャネルやプラダ、ヴィトンやハンティング・ワールド、といったブランドに走っていた時代は過ぎ去ったのかしら、という見方は早計かもしれないが、バブル時代からの脱却をいち早く示してくれている。そういえばうちの娘もUターンしてきたし、息子のほうは二千円、三千円の服を喜んで着ている。
イタリアのサルトリアの作るスーツは、デザイナーの名前がついたスーツにも大きな影響を与えてきた。「半ドン」は「アルマーニ」ブランドのビジネスラインの直接の祖先と言われているし、「アットリーニ」は、「プラグ」のパタンを起こしているとか。その結果、イギリス諜報部員第五代目007(ピアースーブロスナン)まで、祖国のスーツを見捨ててクラシコーイタリアの「フリオーニ」を着るほどに、クラシコーイタリアはステイタスを揺るぎなく確立してしまった(映画『ゴールデンアイ』、一九九五年。ただし、スーツは「ブリオーニ」製だが、靴は正統派イギリス靴のチャーチをはく、タキシードの袖口からシャツをニセンチほど覗かせる、シャツカラーをレギュラーにする、などの着こなしは、しっかりイギリス風で決めている)。日本における人気度も、もはや「本家」イギリスを完全に引き離している感がある。『エスクァイア』日本版別冊『クラシコーイタリア読本』(一九九九年五月)などから漂うクラシコーフリークの熱気たるや、従来のスーツ特集のムックからは決して漂ってこなかったほどの熱さである。